書評ブログ

スティーヴン・ガイズ 著「小さな習慣」(翻訳:田口 未和)

新しい習慣が身につかない人へ


新年の抱負や誕生日で語る目標など、私たちは「こうしたい」という目標を常に立てます。] しかし、「今年もダイエット失敗した」「毎年同じ目標立てているのに・・」と、その目標が達成できなかった経験も多いのではないでしょうか。 本書では、目標が達成できないのは、大きなことを成し遂げようと考えるからだと忠告し、まずは小さい習慣から始めようと助言しています

続けたいことを習慣にするために

皆さんはどんな習慣を持っていますか?
毎日ランニングしたり、毎日本を読んだり、ジムに通ったり、文章を書いたり・・様々な習慣をお持ちだと思います。 勉強、スキルアップ、病気の予防など、どれも1日で成し遂げられるものではありません。 そのため、毎日の積み重ねが重要になってきます。

しかし一方で、人間の防衛本能として、脳はゆっくりとした変化を望むため、 習慣を新しく身につけることは脳にとって大きな挑戦でもあります。僕自身、自分の意志で習慣が続いた経験も多くないです。 脳の機能としては、ざっくり2つに分けると「前頭葉」「大脳基底核」になりますが、 前頭葉では「意思」を持って行動を指令し、大脳基底核ではパターン化された行動を指令します。 また、人間の行動の95%は大脳基底核によるパターン化された行動、すなわち無意識によるものです。 つまり、私たちは5%の行動しか、自分の意志で変えられないのです

そのため意識的にコントロールする行動を小さくしないと習慣は変えることができません。 モチベーションはあとからついてくるので、小さく行動した結果、モチベーションによって様々な行動を紐づけていく必要があります。 なので、意識的にコントロールする行動を減らすことが習慣化において重要になってきます。 具体的には、毎日の生活の中で無意識にやっていることと紐づけることが有効です。 空腹や通勤、風呂など毎日のルーティンの中で、出来ない理由がないほどの小さい行動を付け足すことで、 気付いたら新しい習慣が身についていきます。

習慣化を失敗しないための考え方

ここで、具体的に習慣の立て方をご紹介します。

まず習慣化の失敗を減らすためには、以下の5つを考える必要があります。
・何を習慣にしたいかを選定する(小さく考えるのがポイントです)
・その習慣に繋がる、忙しくても実行できる小さな行動を1つ用意する。(10分程度が目安)
・さらに、その小さな行動を起こすための30秒~1分で完結する行動を用意する。
・開始の合図を決めておく(できれば時間も決めてしまうのがベスト)
・自分への褒美、報酬を決めておく

ここまで細かく決める理由は、「やる気が起きない」といった精神的理由や、「疲れている、眠たい」といった身体的理由、 目標が達成できずに終わるといった自信喪失を取り除くことで、習慣化を持続させる狙いがあります。
さらに、習慣化できそうになったときに陥りがちなのが、目標を上方修正してしまって習慣が崩れてしまうこと。 なので、自分に期待して目標値は上方修正せず、決めたやり方に従って単調にこなしていく必要があります。

習慣化していく時に心掛けるのは、全ての進歩に幸せを感じること。続いた日数(連続でなくていい)を記録・発信することで、 前に進んでいるという安心感を得ることができ、習慣化が途切れることがなくなります。 さらに、習慣化に失敗しそうになったら、小さく目標を考え始めるところから戻って、下方修正することも有効です。

成功している人たちは日々何かしらの行動を圧倒的な量繰り返しています。 しかし、成功している人たちに聞くと、当たり前にこなしているだけだと返答があると思いますが、 それが習慣化というものだと思います。目標に向けて新しいことに挑戦し続けていくためには、 小さな習慣から始めてみることが何よりも大切なのかもしれませんね。


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