書評ブログ
苫米地英人 著「「頭のゴミ」を捨てれば、脳は一瞬で目覚める!」
なりたい自分になれるのは、なりたいと思った人だけだ
「夢は口にすると叶う」
この言葉を聞いたことがあると思いますが、本書によると、脳が見ている現実は「過去に観たり聞いたりしたこと」や
「臨場感をもって強烈にイメージしたこと」の二つだといいます。そして、この特徴のため、
何度も口にして形成された強烈なイメージに辻褄を合わせようと意識や行動が変わってくるため、夢が叶うのです。
以下では、もう少し詳しくまとめてみようと思います。
ただ想うだけだと実現しない
「自分を変えたい」「変わりたい」と想ったことはありますか?
そう想ったことのある人は多い一方で、ほとんどの人は自分を変えたいと思いつつも、自分を変えることができていません。
なぜでしょうか。
まず、その「自分を変えたい」「変わりたい」という気持ちが、他人のモノサシ、
例えば有名人や周りの人から刺激を受けている場合、それを成し遂げることはできないといいます。
一方で、自分の心の底から、「自分を変えて夢を叶えたい」と思っているのにもかかわらず、
自分を変えれないのは脳の仕組みが関係していて、ここで関係する脳の機能を3つ紹介します。
まず1つ目は、脳は目の前の現実をほとんど見ていないということ。RASと呼ばれる脳の機能で、
私たちは一部の情報から推測して、目の前の現実を見ています。脳は、目の前のすべての膨大な視覚情報や聴覚情報を瞬時に処理できるだけの
スペックは持ち合わせていないということです。そのため、人によっては見ている現実はすべて同じとは限りません。
次に2つ目は、今の状態をコンフォートゾーン(=心地いい環境)と認識し、維持しようとすること。
これはホメオスタシス、恒常性維持機能と呼ばれる脳の機能です。脳の天敵は「ストレス」であり、
心地いい環境の外にいる状態はストレス以外の何物でもありません。習慣を簡単に変えられないのも、
このホメオスタシスによる影響です。
最後3つ目は、脳が認識しているリアルとは「過去の記憶」と「強烈にイメージされた臨場感」であること。
RASの機能で、一部の情報(過去の記憶含む)から目の前の現実を推測していますが、それ以外に強烈にイメージできた臨場感は、
脳にとって現実だと錯覚するそうです。
先ほどの「心の底から自分を変えて夢を叶えたいのに、自分を変えれない」というケースを見てみましょう。
「自分を変える」というのは、過去の記憶で出来上がったコンフォートゾーン(心地いい環境、ラクでいられる環境)から外れる行為です。
ストレスが天敵である脳は、コンフォートゾーンから外れることを嫌い、ホメオスタシスの働きによって抑制します。
その結果、継続できず終わってしまいます。
しかし、3つ目の機能にある通り、脳がリアルだと認識するのは、過去の記憶だけでなく強烈にイメージされた臨場感も含みます。
これは、映画やドラマで入り込んで感動するのと同じですが、その強烈なイメージ(臨場感)の中の自分(なりたい自分)と
現実とのギャップを感じると、現実の状況にストレスを覚えるようになり、自然とコンフォートゾーンがそのイメージの方に移動し、なりたい自分になれるのです。
最後にこの言葉で締めくくりたいと思います。
「なりたい自分になれるのは、なりたいと想った人だけだ」