書評ブログ

尾原 和弘 著「プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる」

成果から逆算した生き方の終焉


プロセスエコノミーは、WEBサービスを手掛けるALUのけんすうさんが、キングコング西野さんやその周辺で起きている経済活動に名付けた名前で、 それを尾原和弘さんによって体系化されて書籍化されました。内容がかなり濃いので前後編に分けて書いていこうと思います。

前編では、プロセスエコノミーが求められる時代背景や、それが価値を持つ脳科学的なメカニズム、そしてそれによる生き方の変化について取り上げます。 (詳しくは本書の1章・2章・7章を参照)



時代背景

1:ヒトの変化
僕もそうですが、今の20代以下の世代は生まれた時からモノが足りている世代で、"精神的なもの"に幸せを求めるようになっています。 かつて求められていた「役に立つもの」より「意味があるもの(=プロセス等)」が求められるようになりました。

2:社会の変化
これまで都市化を進め経済成長してきましたが、その一方で近所への所属意識が薄れ、核家族化や共働きによって家族への所属意識も薄れていきました。 そして終身雇用の終焉や働き方改革によって会社への所属意識も薄れています。近所・家族・会社という、これまで所属してきたものが失われ、 判断基準を見失う人が増え、ブランド(=背景の思想やプロセス)を信仰し始めるようになります。

3:インターネットによる技術の進歩
次に挙げる一例のインターネットの進化がもたらした社会の変化によって完成形ではなく、プロセスで収益化するようになっていきます。

(例)
・グローバルハイクオリティとローカルロークオリティ
・コミュニティの構築速度の加速
・非収益化、非物質化(6D)

脳科学からみたプロセスエコノミー

プロセスエコノミーは元々人類が持ち合わせていた特性とすごく相性がいいと言います。 その理由は3つあって、まず第1に「ストーリーやナラティブといった感情脳が行動に直結している」こと。 成果から逆算するという「論理脳」よりも、共感や信仰といった「感情脳」の方が優先されるといいます。 そして第2に「プロセスを共有することで、価値観や思想が違っても親近感が沸き、仲良くなれる」こと。 そのため同じ作業を共同でした人と仲が深まったり、相手の活動の背景を知ることで応援したくなったりといったことが起きます。 第3に「究極の欲として利他の心が備わっている」こと。人は誰しもが誰かの役に立ちたいと思っているからこそ、 完成形でなくプロセスから参加しようという動きになります。

生き方の変化

プロセスエコノミーにより、私たちの生き方は目標を掲げて逆算で達成していくやり方より、 今に夢中になることで道が切り拓けるやり方の方にシフトしていきます。

本書ではジグゾーパズル型からレゴ型に変わっていくと表現されていますが、自分の得意なことがあって、 その得意なことをやっているのが楽しくて、気づいたら誰かの役に立っている、 そんな生き方にパラダイムシフトするのも遠くないかもしれません。


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