書評ブログ
藤原 和博 著「35歳の教科書」
人生の本番である40歳を迎える前にやっておきたいこと
まず僕が35歳と聞いて思い出したのは、武田邦彦さんの『35歳脳死説』
これは、35歳までは与えられた仕事を楽にこなせる人でも、現状に甘えていると、35歳を境に求められるレベルが一気に上がって、
うまく仕事が回らず、40代以降の人生に暗雲が立ち込めるという話です。
今回読んだ、35歳の教科書でも、35歳は40代以降のクライマックス開幕に向けて準備できる最後のチャンスだと書かれていて、
35歳の未来に向けて、自分の人生を客観視できました。
40歳までに納得解を見つける
日本は、高度経済成長期を代表する「成長社会」から、ヨーロッパのような「成熟社会」に移り変わろうとしていて、
みんな一緒にいれば正解が見えた時代が終わり、それぞれ1人ひとりが最適解を探していかなければならない時代になっていきます。]
それは言い換えると、どれぐらい仕事をすればいいのか、何時間働けばいいのか、ワークライフバランスは何が正しいのか、
画一された正解モデルは存在しないということ。
そんな画一的な正解が存在しない社会において、最も強いのが「継続して修正し続けて納得できる解を見つけること」。
つまり行動力です。本書でも20代はとことん突き進んで、30代になってから選択していけばいいと書かれていますが、
成熟社会においては20代だけでは納得解(=成熟社会の正解)を見つけられないんだと感じました。
成熟社会を生き抜くために
成長社会から成熟社会に移り変わるにつれて、みんな一緒の正解を目指していたのが、
それぞれ1人ひとりの最適解を探さなくてはいけなくなりました。成熟社会では、多様化・複雑化・著しい変化が見られるため、
20〜30代で時間をかけて、1人ひとりが修正しながら最適解を見つけていく必要があります。最適解を見つけられた人は、
40代からの本番で力を発揮することができるといいます。
成熟社会で生きていくために必要なことで特に印象に残ったのは、以下の2つです。
1:組織内個人
「人事権」「予算権」「オフィス」など組織内で得られるメリットはたくさんあります。みんな一緒の成長社会では、
組織内で活躍することが、人生を豊かにすることに繋がっていましたが、成熟社会では組織の虚飾を取り除いた本当の自分の実力を注視し、
その実力を伸ばしていく必要があります。また組織内にいても、何をどこまでやるかという引き際も自分で決めなくてはならず、
自分の幸せややりたいことといった自分の軸で判断していく必要があります。
2:成熟社会の人間関係
「みんな一緒」から「それぞれ1人ひとり」に移り変わっていく中で、価値観の相違が当たり前になっていきます。
みんな一緒の成長社会では、自分の価値観で相手の考えを推し図っても問題なかったですが、これからは自分のベクトル(価値観や考え方の方向性)と
相手のベクトル(価値観や考え方の方向性)のベクトル積を取り、最適解を導いていく必要があります。
成熟社会を迎えようとしている日本の未来を見据えて、自分の軸を持ち、これからの人生を切り拓いていこうと思いました。